
多文化共生ワークショップ
「第三者返答」って何?
12月21日、八王子市クリエートホール第5学習室で、多文化共生ワークショップ「第三者返答」って何?に参加しました!
会場には、kokohana やさしい日本語でつながる八王子会の関係者、八王子視聴障害者福祉会の関係者、拓殖大学の新田目ゼミの学生の皆さんなど、狭い会場に、多様な方々が詰めかけていらっしゃいました!
皆さんの中で、話した相手から、無視され、横にいる友人に返答された経験は、ありませんでしたか?
自分がされたことは、覚えているのですが、知らないうちに私達もしているかもしれません。
「第三者返答」とは、関西学院大学オストハイダ・テーヤ教授が、2005年に提唱した概念で、話しかけてきた人の見かけの印象などから、 その人との意思疎通が問題ないにも関わらず無視して、その人と一緒にいる人に返答することだと定義しています。
例えば、レストランで日本語で意思疎通に問題がない外国人が、日本語で注文しているのに、店員は、注文した外国人ではなく、一緒にいる日本人の友人に向かって返答をするようなケースが、その一例です。
さらに、「第三者返答」は、障害者の方に対しても、同様に起こりやすいとのことです。
第三者返答の問題に関するショートムービーを見た後に、以下のような、第三者返答を体験するロールプレイ(役割劇)式のワークショップを行いました!
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A : あれ?八王子駅って、どっちだっけ?
外国人B : うーん、ちょっと待って!あの人に聞いてみるよ。
(近くにいたCに声をかける。)
外国人B : 八王子駅は、どうやって行きますか?
C : え、八王子駅ですか?
(CはAの方を向いて、話し続ける。)
C : 八王子駅は、京王線とJRの駅があるんですが、JRの方ですか?
A : あ、はい。
C : それなら、この道を右に行くと、大きな道路に出るので、左にまっすぐ進むと
駅が見えるんで、そしたら階段を上って下さい。
A : あ、ありがとうございます。
外国人B : …
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私の前に座っていた方は、スーダンから日本に来られ、現在、八王子に在住している盲人の方で、マッサージの専門家だったのですが、ロールプレイのCさん役のセリフを聞いて、「何のことか、全然、分からない」と話されていました。
この道と言っても、どの道なのか、どのくらい行くと、大きな道に出るのか、階段と言っても、何段くらいあるのか、全く想像がつかないことに、気付かされましたし、相手の立場に立つ訓練を、日頃からしないといけないと、反省しました。
確かに、スーダンの方のようなケースだと、説明するのは、かえって混乱させるので、付き添いの方に道を教えることは、起こりえると思います。
私も韓国に3年ほど滞在してきた時には、信じられないほど優しい方もいましたが、第三者返答に該当することは、よく経験し、言葉や民族の壁を強く感じました!
特に、直接、目と目を見て話をする欧米文化から来た方は、第三者返答に対して、違和感を感じると思いますが、日本にいると、それに慣れてしまい、第三者返答をされても、特に気にしない方もいるかもしれません。
でも、大事なのは、形の問題より、話してきた相手に対して、真摯に接してあげようとする思いやりだと感じました!
やさしい日本語を使う上で、相手に接する心の姿勢として、今日の学びを大事にしたいと思います!