シュリーマン生誕200年
出版記念トークイベント
「シュリーマンと八王子」

12月18日(日)に「シュリーマンと八王子〜シルクのまちに魅せられて」出版記念トークイベントに参加しました!


今回の本の出版や、出版記念トークイベントの取りまとめをされた、創価大学文学部教授をされている、伊藤 貴雄 教授は、2019年8月に行われた、はちおうじ哲学カフェ 第8回「世界から見た八王子」で一度、お会いしていて、やはり「シュリーマン旅行記 」の八王子に関する内容を題材に、ワークショップをされていたことを、鮮明に覚えています。


あれから3年の歳月が経ち、伊藤先生は、ゼミの学生たちと共に、桑都プロジェクト〜シュリーマンで町おこし〜を進め、さらに、今回の「シュリーマンと八王子」出版をされましたが、私も、2020年八王子市の日本遺産認定を機に、八王子市、富岡市、桐生市という絹産業で栄えた街々との連携イベントを企画するまでに至ったため、このトークイベントに対して、現在の活動の原点に立ち返る、そんな思いを抱いて参加しました。


登壇された方々は、出版に関わった6人の執筆者で、シュリーマンを、カントが提唱した「世界市民」の観点で話される方、イギリスの政治家グラッドストンとの関係性から話される方、幕末 八王子の絹産業との繋がりから話される方、または、シュリーマン直筆日記からの考察について話される方等、様々な、お話を聞かせて頂きました!


シュリーマンは、十数ヵ国語を操り、商人として成功して、世界を行き来していましたが、40代になって、ギリシャの発掘に人生を掛け、トロイ遺跡を発掘した考古学者です。


そのシュリーマンの処女作となった、「シュリーマン旅行記」の目次は、第一章「万里の長城」、第二章「北京から上海へ」、第三章「上海」、第四章「江戸上陸」、第五章「八王子」、第六章「江戸」、第七章「日本文明論」、第八章「太平洋」になっていて、北京、上海、江戸に続く章に八王子の章が出てくるとは、驚きですね。


シュリーマンは、日本の代表的な絹の街を見てみたいと思い、実際に足を運んだのが、八王子だったのですが、八王子に決めた理由の1つに、当時、外国人は横浜から10里(40キロ)までしか移動できず、八王子が、ちょうど横浜から10里ぐらいの距離だったので、都合が良かったからではないかと言われています。


シュリーマン一行(7人)による八王子の記録は、現在の横山町から八万町の間を、行き来した時に、見聞きした時のものらしいですが、八王子にとっては、まさに、初めての「世界文化との交流」の機会となったようです。
シュリーマンを含む西洋人7人が手を繋いで、その通りを歩いたそうですが、その後から、大勢の八王子の人々が、興味深そうに歩いてついて行ったとも記録されているそうです。


しかし、八王子での滞在時間は、わずか4〜5時間だったことが、今回のトークイベントで分かりました。その時間帯に雨が降っていたからではないかとか、他の6人のツアーに便乗したために短時間となったのではないかと伊藤先生は仰っていましたが、当時の情景が、とてもリアルにイメージできます。


また、シュリーマン直筆の幕末日記という貴重な書物が、2017年にギリシャの図書館で見つかったことについて伊藤先生が続けて話して下さいました。


そこには、「シュリーマン旅行記」の何と、5倍の内容が書かれていたことが明らかになったそうです。しかし、伊藤先生が、実際に見てみると、走り書きに近い文章で、フランス語で書かれた文字も消えかかっていて、解読を諦めそうになったそうです。


伊藤先生は、それでも何とかならないかと考えて、フランス人の留学生に、アルバイトで、アルファベットでの文字起こしをしてほしいとお願いしたところ、見事に、当時の重要な資料として、読めるようになり、桑都 八王子について、さらに深く知ることが出来るようになったと、喜んでいました!


詳細については、今回の新書に書かれています!


ぜひ、みなさんも、「シュリーマンと八王子〜シルクのまちに、魅せられて〜」をお買い求めください!
JR八王子駅北口にある、くまざわ書店の1階と5階で販売されています!