「誰一人取り残さない(No one will left behind)」 SDG4教育キャンペーンに参加

2021年5月15日、去年に引き続き、SDG4教育キャンペーンに参加する形をとりつつ「第10回グローカルカフェ 世界と日本の教育」というタイトルでオンラインイベントを行いました!

SDG4教育キャンペーンは、毎年4月5月に、市民の声を政府へ届け、政策に反映することを目的とするグローバル・キャンペーン(GAWE: Global Action Week for Education)で、世界100カ国以上で実施されています。


以前の記事にも載せたとおり、4月20日〜6月10日の期間で、「全国で繋ぐSDGsなGPSアートリレー」の作品を提出してもらっている途中なのですが、主催者側の私達も、SDGsに関わる活動を実際に行って、GPS アートを提出しようと、この世界的なキャンペーンに、新たな思いで参加するようになりました。(GPSアートではSDGsの17を担当)


一部では、キューバで開発支援をされている浅井梢さんから現地の教育状況や、その文化背景について講演して頂き、二部では、教育協力NGOネットワーク(JNNE)から、事前に提供されたワークショップ教材を使ってのグループワークを行いました。


キューバと聞くと、カリブ海に浮かぶ、スポーツが盛んで、社会主義の国としか、イメージが浮かばず、中南米の開発途上国の一つだとしか思っていませんでした。しかし、今回のテーマになっている教育では中南米統一国際試験で断トツの一位となる高得点をあげ、ユネスコがフィンランドとともにモデル国に推奨する教育大国であることを知りました!

キューバの革命家の一人、ホセ・マルティという方が、「人間は教養を身に付けてこそ自由になれる」という言葉を実践し、文化水準の向上に勤しんだために、キューバが高学力の国に生まれ変わったようです。

今まで、革命家はやがて独裁者となって、国民の人権を奪う方向に流れるイメージを持っていました。特に社会主義の場合、顕著だったのは、現在の社会主義国と言われる国の歴史を考えると、容易に想像できると思います。

キューバ革命の父と言われるカストロの評価は、60年以上経った今でも、分かれるところですが、医療や教育といった、人間の尊厳に関わる分野で、先進国以上の水準を保ち、世界に向けても、積極的に貢献しているのを見ると、社会主義や革命家という言葉で一括にできない何かを感じましたし、新たな世界の教育事情を知ることができました!

ワークショップでは、6つある中の4番目『緊急時の教育支援を行う「教育を後回しにできない基金」(ECW)について、日本は「教育を後回しにできない基金」(ECW)に拠出すべきだ。』を行いました。

日本のODAにおける教育費の割合ですが、援助国平均が3.4%(2018年実績)であるのに対し、日本は1.4%(2018年実績)しかないそうです。

その中でも2016年に世界人道サミットで設立された災害や紛争といった緊急時における教育に特化した援助機関ECWに全く拠出していないので、日本は拠出すべきではないか?という政党へのアンケート結果を、参考にしながら、各グループで、話し合ってもらいました!

14グループに分かれて話し合われたのですが、「まず国内の教育事情を省みるべきである」「紛争地や被災国への教育投資が現実的に可能なのか?」
「他の教育支援機関とのバランスを考えて投資すべき」「先進国としての責任を果たし、ECW拠出を積極的にすべきだ」等、様々な発表があり、その理由も聞きつつ、深く考えさせられました。さらに、ある高校生は「私達、高校生もECWに関われるように情報を、もっと提供してほしい!」と、発表していたのが印象に残りました!


普段、日本にいると感じにくい世界の教育問題やSDGsについて考えることは、それが、鏡となって、日本の教育や世界における日本の役割について考えることでもあります。

今回の新型コロナの世界的な感染を通して、地球のどこかの問題も、自分たちと繋がっているかもしれないと、考える人たちは多くなったと思います。

SDGsが大事にしている「誰一人取り残さない(No one will left behind)」、すべての人のための目標の達成をめざし、最も弱い人に焦点を向ける考え方を、今後の活動に活かしたいですし、何かの形で伝えていきたいと思っています。