会場も、スタッフも一つとなった日韓友好フェスタ2019in 八王子①

2019年12月28日に、北野市民センター8階ホールで開催された、「日韓友好フェスタin 2019」ですが、2019年2月23日に第3回グローカルフェスタ〜近くて、近い国へ〜を開催したのが、きっかけとなりました。2月のイベントは八王子市民から募集して、「RED」という在日韓国人だと打ち明けずに生きてきた学生が、何人かの韓国人との出会いによって、自分のアイデンティティに、目覚めて行く内容だったのですが、その際に、相談に乗ってもらった演出家が、今回の劇団「シルクロード」のキム ギョンテさんでした。


また、2018年から、台湾とのイベントや、アジアとの交流事業で、関わってくださっていた、歌手 玉城 ちはるさん、おもてなし国際協議会のスタッフの方の繋がりで、お声かけさせて頂いた、コリアン フード コラムニスト 八田 靖史さんがゲストとなって下さいました!

おもてなし国際協議会関係者も含め、ゲストのどの方も、現在の複雑な日韓関係の回復のために、協力したいと心から願う思いで、集まって下さいました。

日韓友好フェスタのタイトルを「海を越えて紡ぐ、衣・食・音」とつけさせてもらったのですが、そのうちの、衣について話すと、開催地の八王子は、絹織物の街で栄え、1859年に、横浜港が開港されると同時に、横浜と八王子間で絹を運ぶ道が整備されます。後に絹の道(シルクロード)と呼ばれるようになりました。また、逆に、その道を通じて、西洋の自由思想や、キリスト教も入って来たのです。

また、今回、韓国から来られた劇団名も「シルクロード」で、人と人を繋ぎ、国と国を繋ぎ、天と地を繋ぐ意味で、付けた名前だと、ギョンテ代表から、教えてもらいました。
また、音楽劇の題名も「シルクロード」だったのですが、その背景になった、江戸時代に李氏朝鮮から、日本に派遣された朝鮮通信使。

彼らの主要な貿易品が、生糸、絹織物だったことも、繋がっていたのを考えると、偶然ではない、必然的な繋がりを感じました。

イベントの一部、音楽劇「シルクロード」のあらすじは、こうです。

「馬を操って芸を披露し、成功し続けていた長命(父ホジョギの息子)は、朝鮮通信使として選ばれたが、日本での公演中、目が見えなくなった。

父ホジョギは、何とかして長命の目を直そうと、全国津々浦々10年間歩き回り、あらゆる方法を使って、目を直そうとしたけれども、結局、目を開けることができなかった。そう したある日 神秘的な薬草によって、ある母親を生き返らせたという噂を聞いて生命の地と言われる、クムサンという場所に向かって、ノリパ公演団が出発したが…

この作品に出てくる、長命と、ホジョギは、小さくは私とあなた、私たちと、あなたたち、そして、もう少し拡大したら日本と韓国が互いの友情を探す美しさが描かれている。」

父‘ホジョギ’の葛藤とクムサン神秘の薬草高麗人参を与え、長命の目を開けてくれる‘チャンス’との経緯が、韓国舞踊と伝統楽器テピョンソの物悲しい音色に合わせて、太鼓、ケンガリの旋律にぴったりと合う作品になっていますが、日韓関係までも比喩したものだとは、思いもよりませんでした。


最後に心に残った言葉を紹介します。


「世の中というのはな、目で見るのではなく、心で見るのだ。目で見るなら、これくらい。心で見るなら、さらに向こうを見ることができるのだ


「愛の犠牲が必要だ


ー劇中 チャンスのセリフ