第3回グローカルフェスタ①
〜近くて近い国へ〜を終えて

2月23日 北野市民センター8階ホールで、第3回グローカルフェスタ〜近くて近い国へ〜が主催 NPO法人 おもてなし国際協議会主催で行われました。

去年の台湾が世界で最も親日国として知られているとしたら、日本との関係が現在、悪化の一途を辿っている韓国を、メディアが伝えない、全く新しい視点で、理解しようという企画で、八王子市民や八王子に経緯のある方達からオーディションして市民劇という形で第一部の演劇、二部が韓国の伝統楽器、タンソ笛と日本の尺八が織り成す、日韓友情コンサート、三部が、日韓友好における具体的な活動を行なっている3人のゲストによるトークセッションで構成されていました。

去年、劇団桜人企画を招いて上演した音楽劇「七十一日的台湾白百合」は、親日で、穏やかな民族性で、民主主義国家の台湾とは全く異なる歴史、戒厳令が世界最長の38年も続いた時代に、「100%言論の自由」を叫んだ民主化運動家のストーリーであり、観光案内には出てこない台湾の深い部分に触れましたが、今回は、反日で、儒教のイメージのある韓国とは、違って、世界最大のキリスト教国となった韓国の最初の歴史で、「100%信教の自由」を叫んだ殉教者のストーリーで、韓国の深い部分について描いていました。

冒頭で脚本家の方から市民劇「RED」(脚本提供 劇団桜人企画)の説明がありましたが、信教というと宗教の話に聞こえるけれども、これは精神的自由を保障する近代国家と人権思想の先駆けということに繋がり、私たちが当然のように享受している心の自由、何人にも価値や生き方を強制されないで生きる姿の象徴だと。

また、今回は現在と過去がクロスする形でストーリーが進行していっていて、現代のところでは、在日社会を取り上げられていました。主人公は在日韓国人で、日本名が山本 真一 本名がチョン ジンイルという司法修習生なんですが、本名を隠しながら、生きていた中で、いとこの韓国人ジェドク を通じて出会った冤罪事件の被害者「先生」の生き方に感動し、自分の本名を名乗るようになって行きます。私たちの周りも在日の方々が共に暮らしているはずですが、彼らの思いを知り、心まで共に暮らせているのか、日韓をめぐる重要な側面として取り上げられていました。

多文化共生社会の実現は、日本の将来を考えたら避けることの出来ない目標になるはずですが、そのためには、キリスト教の殉教者や、在日韓国人に表されるマイノリティの苦しみを感じる訓練が必要だと思います。

産みの苦しみを経ることを考えずに共生社会を議論している集まりをよく、見受けます。学校でのワークショップを行ったり、何かの制度を考えたりしていますが、マイノリティの立場は、知識で、理解できるものではありません。マジョリティの立場は言葉には出来ない圧力を、意識しても、しなくても、マイノリティに与えていることを気づき、彼らの中に一人で飛び込んでいく勇気と犠牲、また、マイノリティの方は、最後まで屈しないで、自分のアイデンティティを、伝えていく熱情と許しが必要ではないかと、この劇を見て、学ばされました。