快晴の下での「日本遺産ツアー」

4月29日(土)に、快晴のもと、高尾山599ミュージアムのイベント「日本遺産ツアー」に参加しました!


滝山城と八王子城、高尾山の建築物、八王子の絹産業など日本遺産の29の文化財を学んだ後に、講師の滝本 慶三さんと共に、高尾山に登って認定スポットをめぐるというもので、参加人数は10人ほどで、少人数でしたが、とても中身の濃い時間でした!


八王子の誇る日本遺産の重要スポット、滝山城、八王子城は日本を代表する山城(滝山城は、続日本100名城、八王子城は日本100名城に選定される)なのですが、山城は、日本に3万ほどあったそうです。


各県で見れば、少なくとも800程の山城があったと推定されているので、思っているより、遥かに多かったですが、山の傾斜を利用して建てられたため、石垣は必要が無かったですし、天守閣がなくても、山城なのだそうです。


私の家の近くに片倉城跡公園という場所があったり、少し行けば平山城址公園がありますが、「山の頂上が平らになっていれば、かなりの確率で山城である」と滝本さんが仰って、とてもイメージがしやすくなりました!


また、滝本さんは、古建築に関して詳しく、高尾山の建物の見方を教えてくださいました!
高尾山の建物の①軒反り(軒先が反り上がった形状)、②組物(柱の上にある重い屋根や軒を支える)、③彫刻がポイントだと仰り、古建築を分かってから見てみると、当時の大工たちの思いが熱く伝わってきたのには驚きました!


そして、絹に関しても触れてくださいましたが、日本遺産のサブタイトル〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語〜に出てくるように、八王子は昔、桑都と呼ばれていました!


面白いことに蚕糸業の中心地として繁栄している都市は、蚕都(さんと)と呼ばれ、複数の街々(山形県鶴岡市、福島県伊達市梁川町、埼玉県深谷市・熊谷市、富山県富山市八尾町、長野県上田市、愛知県豊橋市、京都府綾部市など)があるのですが、桑都と呼ばれるのは八王子だけだそうです!桑都とは、蚕糸業に加えて、絹織物の生産までをした所だと、分かりやすく、桑都の特徴を教えてくださいました。


1時間半ほどのレクチャー後に、高尾山のケーブルカーに乗って、そこから日本遺産認定スポットを、確認して回ることになりました!


高尾山に登る度に、通っている見晴らしのいい展望台が、十一丁目茶屋という有名な食堂の隣にあるのですが、滝本さんが「少しゲームをします。目を閉じてください」と言われ、参加者は皆、目を閉じました。

その後に「目を開けてください。殿、この見渡す限りの地域が、殿の土地でございます。」と話され(笑)一瞬、キョトンとしてしまいました。


実は、約400年前に、八王子城主 北条氏照が高尾山の展望台から見たであろう、下界に広がる関東平野の一帯が、当時、全て北条家のものであったことを、滝本さんが伝えようとしていたのです!


この光景を見ると、北条氏照の自負心が高くなり、豊臣秀吉には頭を下げたくない思いにまでさせたのではないかと想像力が掻き立てられました。(次回、僕がガイドをするときに、使おうかな(笑))


目的地の高尾山頂上に到着して、最後に、滝本さんが、まとめとして、このようなことを仰っていました。


「日本の誇りは自然と文化だ。日本の森林面積率は、68,41%で、世界的に最も高い森林率だ。山が多いと川もきれいで、山の恵は川を伝って、海にまで流れていく。

すなわち、日本は、美しい山、川、海の恵みが満ちていて、さらに、明確な四季まである。
このように日本は、自然が豊かなので、そこから言葉が豊かになり、さらに文化が豊かになってきたのだと思う。

現代の人々は、自然から離れようとしているかもしれないが、日本の誇りである自然に近くして生きるのもいいのではないか?」と。


高尾山には、まだまだ、わたしたちの知らないストーリーが潜んでいそうです!