多文化共生コーディネーター研修(医療編)

初めての多文化共生コーディネーター研修参加(医療編)

以前もホームページに記事を載せましたが、日野市多文化共生委員として、長らく、多文化共生に関わってきた方々と混じって、定例会に参加するようになったのは、良かったのですが、思った以上に多岐に渡った分野で、長く関わっている人たちも、手探り状態であるため、話について行けず、本格的に、多文化共生を学ぶ機会を探していました。


そんなある日、多文化共生コーディネーター研修の広告を見つけて、締め切られる前に、すぐに参加申し込みをしました。


4回シリーズで、7月11日が3日目(他 6月20日、27日、7月18日)でしたが、今日のプログラムは、すぐに、取り入れたいものだったり、印象に残るものでした。
午前中は、医療保健分野と日本語教育についてでした。
以前、八王子市で留学生に聞き取り調査をして、その時に挙がった日本の生活で最も大きな困りごとが、医療における具体的な見やすいマニュアルがない、どの病院に行けば、外国人に対応した言語で、診察をしてくれるか、分からないというものでした。
この問題に関しては、昔から、ありそうな問題だし、八王子市の大きめの病院に行けば、外国人に上手く対応してもらえるだろう、あるいは、ヒントになる情報を、提供してくれるだろうと思って、今年の春先に、ことごとく大きな八王子市の病院を回って見たのですが、どこの病院も、英語ですら安心して対応してくれる反応ではなく、英語以外の言語は、論外でした。八王子市の多文化共生課、八王子市国際協会、いくつかの留学生の多い大学の関係者にも、多言語対応の病院情報や、医療に関する具体的なマニュアルリフレットが無いのに、驚いた記憶があります。
今回は、AMDA国際医療情報センターの関係者の方が、講師として来られ、ちょうど、私が困っていて、手をつけられなかったことについて、話してくださいました。


AMDA国際医療情報センターは、日本語の不自由な外国人へ医療機関の案内・医療電話通訳をしているNPO団体だそうです。

活動として、

①電話医療通訳

②電話医療相談を行なっています。


他にも「ひまわり」という団体も、同じように都内で活動されているようです。
2019年には、外国人受け入れのための新たな在留資格がスタートし、2020年 東京オリンピック・パラリンピック 開催に向けて訪日外国人観光客が急増するため、東京都でも、外国人患者の受け入れ態勢が整った医療機関の整備や、医療情報の効果的な提供、また外国人患者が、安心して受診などができる仕組み作りが進められているようです。


現在、都内の医療機関の状況ですが、訪日外国人旅行者受入医療機関は、27病院、142診療所があり、その中でも、外国人患者の受け入れ体制を認証機関が評価している病院が、JMIP認証取得医療機関と言われています。
八王子市に拘らず、不安を感じている外国人患者にとって一番安心できる近くの医療機関を確認しておこうと、思いました!


医療現場では、言葉の通じない患者の来院が増えることで、保険未加入者や診察費未払い、軽傷での大病院診察などの問題が深刻になっています。
日本に来て、大きな病気になった中国人の方が、治療費を払えずに困っているが、どうしたらいいかと、質問されていた方がいました。


AMDAの関係者の方は、「払ってもらうしないですね。他の救済手段は分からないです。」と話されていましたが、実際に起こっている事例なので、難しい中でも、できることは、それでも何か探さないといけないのではないかと、強く感じました。
それと同時に、外国人患者が増えることで、医療現場が疲弊している現実があるようです。


相談内容が、日本では理解できないものであったり、日本の医療システム上、保険が下りなかったりということが、相手に上手く伝わらずに、外国人だから、差別されているのではないか?という誤解も起こります。


だから、言語が通じる医療機関を探す前に、相談する外国の方の問題を整理して、日本の医療機関を受診するためにどうしたらいいか、できないことは何かを調べて、それを相談者に納得してもらった上で受診できる医療機関を探すのが、良いとのことでした。


いざという時の安心できる日本での医療ケアーが、外国の方への、日本のイメージやおもてなしに大きく関わることを、学ぶことができました!