2月13日は日本(2)遺産(13)の日だと、知っていましたか?
日本遺産の日 記念シンポジウムに行ってきました!

2023年2月13日は、文化庁や日本遺産連盟が、日本遺産に対する理解と関心を高めるために、にほん(2)いさん(13)の日と定めて、毎年、日本遺産を知らなかった人たちにも楽しんでもらえるシンポジウムや日本遺産のPRイベントを行っています。


八王子博物館(はちはく)でも、関連イベントが行われていたのですが、私は、大手町三井ホールで行われた、日本遺産のシンポジウムに参加しました。(去年まで、日本遺産の日について、全く知りませんでした(^^;))


最初に、日本遺産大使として、能楽師の大倉正之助さんと、ギターリストのマーティン フリードマン(アメリカ)さんの2人が舞台に現れて、それぞれの演奏と、マーティンさんが作曲した、日本遺産のテーマ曲 “JAPAN HERITAGE OFFICIAL THEME SONG” を、2人でコラボ演奏されました。


二人の圧倒的なライブパフォーマンスにも、衝撃を受けましたが、東洋と西洋が融合するかのような、息のぴったりと合ったコラボ演奏を見て、芸術の極致に触れた感動の体験をしました!


マーティンさんは、今後、アメリカでの公演ツアーがあるらしいのですが、「僕が、アメリカで演奏をする時には、日本の代表として見られているよ。アメリカ人は、日本に対して興味津々だ。日本に一度でも行くことが、彼らの夢なんだ。」と話されるのを聞いて、目から鱗が落ちる思いでした。


その後、「ストーリーで地域を見せる日本遺産」というタイトルで、トークセッションが行われました。ゲストは日本観光振興協会総合研究所顧問の丁野 朗さん、クラブツーリング株式会社顧問 黒田 尚嗣さん、文化庁文化資源活用課文化財調査官 中井 將胤さんの3人でしたが、各分野のトップクラス同士が話されたので、大変、分かりやすく、かつ興味深いトークセッションになりました。


まず最初に中井さんが
「世界遺産と、日本遺産は、どちらが上だとか、下とかは無い。世界遺産と、日本遺産の違いは、大きく3つに分けられる。
① 世界遺産は世界が舞台になっていて、日本遺産は日本が舞台になっている。
② 世界遺産は、遺産そのもの(姫路城、縄文遺跡等)が認定の対象となるが、日本遺産は、ストーリー性が認定の対象となる。
③ 世界遺産には、文化遺産と自然遺産が分かれるが、日本遺産は、すべてを含んでいる(見えないものまで)のだ。」
と話してくださいました。

次に、丁野さんが、
「日本遺産を活用した地域活性は、主に観光を中心に考えられてきたが、その地域の物づくりや、産業を磨くことによって、息の長いものになるのだ。そのような事例が各地で起こっている。」と話され、

さらに、黒田さんが
「日本遺産は、そこに行ってきた人が、周りに噂話をしたくなるようにさせることが特徴だ。すなわち、気づきを増やすようにするのが大事だ。」
と目指している方向を、話してくださいました。


最後に中井さんと丁野さんが、日本遺産の事業化の話をされていました。
「日本遺産は、世界遺産と違って、半分以上が国や市町村から未指定になっているため、助成金等がなく、守ってくれるものがない。文化財は、弱いものなので、何もしないと、なくなっていく運命だ。未指定の文化財を守るためにも、日本遺産認定よって、経済効果がこれくらいあるのだと、地域の関係者に知ってもらうために、ちゃんと数字に残して把握し、官民連携で守っていくことが大事だ。」
と締めくくられました。


今年の11月に、八王子市で行われる日本遺産フェスティバルにむけて、今年度最初の学びの時間になりました。
私たちは民間の立場で、微弱な力ですが、日本遺産に関わる活動を積極的に行って、地域住民の誇りになる日本遺産として定着させていくことを目的にしたいと思います。