パラスポーツの魅力に迫るイベント「パラスポーツdeコミュニケーション」



3月26日、第一回パラスポーツ応援企画「パラスポーツde コミュニケーション」をオンラインで開催しました!

私達は、共生社会を進める上で、パラスポーツが大きな突破口になると考えて、2020年5月にはゴールボール体験会、10月にはユニバーサル駅伝を実施予定でしたが、2020年からのコロナ禍による影響で、次々と中止になってしまいました。

昨年の熱気に包まれた東京パラリンピック大会から半年が経つこの時に、オリンピック・パラリンピックのレガシーを何か残したいという思いから、今回のオンラインイベント「パラスポーツde コミュニケーション」を、ついに実施するようになりました。

ゲストの新部 遥希(にべ はるき)さんは、日本ブラインドサッカー協会の職員であると同時に、パラスポーツのフォトジャーナリストとして、日本全国だけでなく、ラオスやインドネシア等の海外でも活躍しています。

新部さんも、以前は私達のように、障害者に対して、不自由だとか、生活が大変そうなイメージを持っていたそうですが、パラスポーツに触れることで、「障害者スポーツを通して、社会を変えたい」という夢を持つようになったと話されていました。

また、新部さんが学生時代にパラスポーツのフォトジャーナリストとして東南アジアのラオスに取材に行った時に、ラオスの障害者が日本の障害者よりも外に出ようとしなかったり、仲間がいないことが分かり、また、スポーツがコミュニケーションツールにとても大きな力になっていると実感したことが、今行っている活動と密接に繋がっていると話していました。

パラリンピックの父と呼ばれるルートヴィヒ・グットマン博士の「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」という言葉が、新部さんの一番好きな言葉だと話されていましたが、コロナ禍で共生社会実現に向けて活動していく私達にとっても、参加者の皆さんにとっても、考えさせられる言葉になったと思います。

さらに、新部さんが様々な経験の中で大事にしているフレーズに『「ハード」でなく、「ハート」を変える』というものがあります。

日本では、障害者等のために、階段のあるところにスロープをつけたり、エレベーターを設置したりして、ハードの整備をすることが推奨されますが、ラオス等の国に行ってみると、段差がある場所が多かったり、誰かに助けてもらわないといけない状況がとても多かったそうです。

そのような場面で、現地の人たちは、進んで障害者の移動を手伝ったり、車椅子を持ち上げたりするのを見て、何といっても「ハート」が大事なのだと改めて感じたのと、スポーツは喜んだり、悔しく思ったり、いらいらしたりと、感情が伴うため、ハートを変えやすいツールだと考えたところから、『「ハード」でなく、「ハート」を変える』という言葉が思い浮かんだそうです。

コミュニケーションに関するワークショップとしては、イメージマッチングというものを全員対象で行ないました。

目をつぶった状態で、いろんなイメージの湧くもの、例えば「銅像」や「思いやり」を体で表現し、それぞれ違ったポーズになっているのを、目を開いた数人が、言葉だけで指示して、全員が同じポーズになるように誘導していくものです。

最後に、みんな同じポーズになった時には、コミュニケーションを取ることが難しかった分だけ、喜びも大きかったです。

コミュニケーションの大事さを、参加者全員で体感した時間でした!

イベント後のアンケート結果には、

「障害者との関わりについての見方が変わりました。こちらの心配のしすぎで壁を無意識に作り出してしまったりしていたので友達のように接していくという言葉がとても心にのこりました。」

「じゃんけんをやったり6人に一人は障害者がいる事に対する問いかけ方など興味がわく工夫があり面白かったです。」

等、このイベントで、新しく気づきを得たという内容が書かれていました。

この思いが冷めないように、次へのステップに繋げていきたいと思います!