やさしい日本語は、聴覚障がい者の味方!

2月10日(木)やさしい日本語認定講師養成講座の7回目 吉開 章(よしかい あきら)さんによる「ろう・視聴障害」入門に参加しました!

以前の記事でもお伝えした、やさしい日本語ラップ「やさしい せかい」の2番で、聴覚障がい者の西槇久仁子(にしまき くにこ)さんが、手話で出演しており、多様な文化を表現していたのが印象的でした!

しかし、実際に聴覚障がい者の方と接する機会がなかったため、聴覚障がい者とやさしい日本語との繋がりについて、吉開さんから貴重な話を聞けて、とてもいい時間になりました。

吉開さんは、外国人に対する日本語教育の経験を積む中で、故郷の福岡県柳川市の観光分野にやさしい日本語を取り入れる企画を柳川市に提案したところ、市長や観光課の協力が得られて実現し、柳川観光大使に就任されます。それがきっかけとなり、柳川市のやさしい日本語の取り組みは、全国の関係者に知られるようになったのです。

さらに吉開さんは、「聴覚障がい者も、外国人と同じように、日本語を難しく思っていること」、また「彼らの中には、日本語が第二言語だと考えている人もいる」のだと知るようになりました。

そして、日本の聾教育の歴史の中で1948年から平成の時代まで、手話は口話(相手の口の動きを読み取み取り、また、その口の形をまねることで言葉を発すること)の習得を妨げるものだと見なされ、多くのろう学校では、手話の使用が禁止されていたことに、吉開さんはとても驚きました。

手話は外国語と同じで、日本語とは全く別の言語です。そして手話を母語とする聴覚障がい者にとって、日本語は後から学ぶ言語になります。外国人の日本語学習者と同じような日本語の間違いをすることが、当然、起こります。

そんな聴覚障がい者に対して、日本人の健常者が話したり、聴覚障がい者に書いて伝えるときに、やさしい日本語が役に立つのではないか?また、やさしい日本語を使えば、手話通訳がやりやすいはずだと考えるようになったのです。

やさしい日本語を使う人たちは、ろう者の味方にもなれます。間違った日本語を使っても、理解してもらえます。なぜなら、外国人との経験によって、日本語のどこが難しいか、分かるからです。

私は吉開さんの話を聞きながら、聴覚障がいをお持ちの方々に対する、無知と偏見に気付かされたと同時に、私達健常者が一生経験できないかもしれない、新しい世界の門が開かれたような思いになりました!

今後もやさしい日本語を通じて、聴覚障がい者に関わる活動に参加したいです。

障がい者の中でよく使われる以下の言葉で吉開さんの講演は終わりましたが、心に刻みたい一言でした!

Nothing about us without us (私たち抜きに私たちのことを決めるな)