「八王子車人形」が八王子市で初めての重要無形民俗文化財に指定されました!



2022年1月21日、「八王子車人形」が国の重要無形民俗文化財に指定されました!おめでとうございます!

日本の伝統的な人形芝居と言えば、3人で人形を操る人形浄瑠璃を思い出す方が多いかもしれませんが、車人形は、人形遣いがろくろ車に座って一人で操ります。幕末に、山岸 柳吉(初代 西川古柳)という方が、ろくろ車(人形遣いが箱に座って腰に紐をつけられるようになっている。その箱には車輪がついていて、前後左右に向きを変えやすくする工夫がされている。)に座って一人で人形を操る方法を考えたのが、車人形の始まりだそうです。

人形浄瑠璃と違う点は他にもあって、人形遣いが足袋を履き、足の指に挟んで動かす「足がかり」で、人形の足を動かせることです。それによって、直接舞台を踏むことができ、力強く人形の振りを見せることができるのだそうです。

多摩地方を中心に、関東一円に広まった車人形ですが、明治時代に八王子に伝えられてからは、八王子車人形 西川古柳一座に継承され、以降、八王子で親しまれてきました。

現在は八王子市下恩方町の西川古柳座、奥多摩町、埼玉県三芳町の3座だけが残っています。

人形芝居は人形芸と、三味線と、語り物とが一体になった芸能です。昔は伝統的な説経浄瑠璃が多く使われましたが、今では主に、義太夫節が使われています。


五代目家元の西川古柳(こりゅう)さんは、古典だけでなく落語や現代劇、舞踊などと共演することに成功しており、アメリカやロシアなど海外の舞台芸術家とも交流するようにまでなっています。

さらに、地元の子どもたちへの車人形教室を開催するなど、八王子市民の間にも定着させ、2018年には家元のご長男が「五代目西川柳玉」(りゅうぎょく)を襲名し、次世代への継承の道も見えてきています。

今回、車人形が国重要無形民俗文化財に選ばれるにあたって①五代目の西川古柳家元さんが海外で公演するなどその発展に尽力していること、②次の世代が着実に育っていること、③後援会のサポートがしっかりしていることの3つがボイントになったそうです。

八王子市の日本遺産ストーリー「桑都物語」の構成文化財でもある八王子車人形ですが、八王子市の文化財としては、国の「重要無形民俗文化財」への指定は、これが初めてなんです。

桑都日本遺産センター 八王子博物館(はちはく)では、2022年2月11日 (金) から3月31日 (木) まで、八王子車人形に関する記念展示を開催するそうです。ぜひ、足を運んでみて下さい!