もっと知りたい「霊気満山 高尾山」



東京都八王子市の高尾山は「世界一登山客の多い山」として有名ですが、八王子市を紹介する時に、高尾山について一般的なことしか語れなかったため、今後八王子市を訪れるであろう一般客や外国人観光客に、まずは高尾山について語ることかできるようにしたいと思い、八王子コンベンション協会主催の八王子ネイチャープログラム「新春ハイキング・関東の富士見百景」の申込みをしました。

高尾山ハイキングの当日である1月18日は、快晴の空の下、最高のハイキング日和となりました!

京王 高尾山口駅前に、20名ほどのガイド、サポーター、参加者が午前9時半に集合して、各自の自己紹介や、ガイドの方からの注意事項があった後に、全体で準備運動をしてから、稲荷山コースを登っていくことになりました!

高尾山のハイキングコースは、1〜5コースと、稲荷山コース、高尾山 陣馬山コースの7つに分かれますが、今回の稲荷山コースは、登りが一番きついコースのようでした。

このコースは、もともと林業用の道でしたが、1940年に行われることになっていた幻のオリンピックにむけて整備されて、現在のハイキングコースになったとのことです。

ちなみに、1964年10月10日「東京オリンピック」の開会式の日程に合わせて、高尾山リフトの運行が開始されたのだそうです。

10分ほど登って、稲荷山の由来となった「旭稲荷」という神社を過ぎ、自然林の間を通りながら、標高376メートルの稲荷山頂上に到着しました。

ガイドの説明に従って遠くを見渡してみると、西武ドームや、筑波山の2つのピーク(男体山と女体山)、また房総半島などをくっきりと見ることができました。

稲荷山コースを更に進んでいくと、工事中の看板が立っていて、そこから6号路の道に入っていきましたが、歩いている途中、午前11時半頃に、法螺貝の音が聞こえてきました。

薬王院の護摩祈祷後には、法螺貝が吹かれるそうで、その音に合わせてお坊さんたちが大本堂から外に出ていくそうなのですが、ちょうどその時間だったようです!

そして、そこからさらに進んで山頂付近まで行くと、木製の新しい階段が現れ、400段近くひたすら登って、やっと頂上に着きました!

頂上で見た富士山ですが、登ってきた同じツアー参加の方々が「今まで見た富士山の中で、一番素晴らしい!」と歓喜の声を上げていました。

去年は雪が少なかったため、富士山の本来の美しい姿を見れなかったとハイキングツアーの参加者の一人が話していました。

せっかくの機会だったので、サポーターの方に手伝っていただき、富士山を背景にして、10枚近く一人写真を撮ってもらいました。

頂上での食事後、下山し、早速高尾山薬王院を訪れました。

高尾山薬王院とは、真言宗の寺院ですが、仏教の寺院なのに鳥居があったり、そこで祀られているのが「飯綱大権現」という神道の神であったり、また境内の奥には浅間神社があったりして、神と仏が共存する神仏習合の典型的な寺院であることを初めて知りました!

薬王院から下っていくと、杉苗奉納をした方の名前の札がズラッと並んで飾られていました。

今年になって一人1万円以上奉納した人の名前が書かれた、新しい札だそうです。

杉苗奉納ですが、もともとは願いがかなった時に杉苗を奉納していたそうです。しかし今では、苗木ではなく、お金を納めるかたちになっていて、山林の整備にお金が使われるそうです。

長い歳月の間、多くの方たちによって、高尾山の豊かな自然が保たれて来たんですね。

さらに下りていき、薬師院の入り口である浄心門を通り抜けた後で、ガイドの方から、門の上に掛かっている扁額「霊気満山」についての説明をしてもらいました。

高尾山の朝と夕には、よく霧がかかるそうです。そのため、昔から神や仏の力が霧という形で現れている事として、高尾山は崇められてきました。

神や仏の力に満ちた山の事を、先祖たちは「霊気満山」という言葉で表したのだそうです。

八王子市が日本遺産に認定されたタイトル「霊気満山 高尾山〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語」は、このような経緯から来たのかと、新たな発見に心が踊りました!

今まで高尾山については、何度となく見たり聞いたりしていたのですが、ガイドの方から詳しく聞いてみた上でさらに見てみると、その価値をより感じるようになりましたし、多くの方にも伝えたいと思うようになりました。

コロナ禍で遠くに行けないもどかしい時期ですが、高尾山ハイキングの時のように、普段見過ごしていた、自分たちの身近にある環境の宝、人の宝を発見できる機会にしていきたいと思うようになりました!