「はじまりの花火」が夜空を飾る。 東京オリンピック・パラリンピックまで、再び1年を前にして。

今日、2020 年7月24日の夜、東京オリンピック・パラリンピックの開幕式が行われるはずでしたが、全国で20時の時間に合わせて、花火が打ち上げられました。その名も「はじまりの花火」。


八王子市でも、打ち上げ花火を観れるかもしれないと、ネットで書いてあったので、1時間近く、20時前からJR八王子駅南口の広場で待っていましたが、雨も降っていたからか、遂に見ることはできませんでした( ;  ; )


2019年7月24日の東京オリンピック・パラリンピック1年前には、盛大にセレモニーが行われ、その中で、メダルデザインも公表され、日本全土挙げて、生涯に一度しかないかもしれない、2020東京大会に想いを馳せていたことが思い出されます。


現在は、コロナ問題で、オリンピック・パラリンピックは不要だという話がよく聞こえてきますが、今一度、2020 年の東京大会の意義と、オリンピック・パラリンピックの目的を考える必要があると思います。


私は、2018年の年末に、都市ボランティア(シティーキャスト)に応募して、ボランティアの共通研修に参加しながら、心待ちにしていましたが、一年の準備期間が与えられて、改めて、2020東京大会と自分との関係を考えるようになりました。


振り返ると、14年前の2006年、東京都と福岡市がオリンピック招致の国内候補計画書を出した頃、ちょうど、私は福岡の小さな旅行会社で働いていましたが、西日本で初めてとなるはずの福岡オリンピックの開催を、心から応援していました。


東京中心の日本社会のイメージに飽き飽きしていて、覆したかったですし、アジアの玄関口、福岡を中心に福岡オリンピックを行うことで、九州が一つになり、アジアが一つになる淡い夢を描いていました(笑)


しかし、あっさり東京が日本のオリンピック招致候補に決まったことに対して「結局、東京?」と多少、悔しくも思いつつ、一方では、東京に対する憧れが大きくなっていました。


その後、7年経った2013年9月7日に、2020 年東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、2020 東京大会に沸きかえっている東京の街々をイメージしている状態で、八王子市に仕事の関係で引っ越ししてくるようになりました。


驚いたのは、八王子市が思っている以上に田舎だった(八王子市民の方、すみません。)のと、市民の方に、2020東京大会に対して、お聞きしても、無関心だったことです。


最初は、全世界が注目する世界的な平和の祭典、スポーツの祭典、夢と感動の祭典なのに、どうしたらいいのだろうと思いばかり焦って、1年以上経ちましたが、それくらいの時になってやっと、想いを共にする仲間が、八王子市に5人集まるようになり、「おもてなし国際協議会」が2015年8月1日に、スタートしました。


最初は、自分たちの考えで、八王子市に来る、海外からの訪日外国人を意識した活動をやることが「おもてなし」と繋がるのではないかということで、浅川河川沿いや、八王子祭り後の甲州街道沿いのゴミ拾いや、お茶会をやってみましたが、誰が訪日外国人なのか、区別がつかないですし、八王子市街に来る観光客の人数は、意外に少ないことも気付くようになりました。 


そうしているうちに、

「おもてなし」以前に、そもそも、オリンピック・パラリンピックって、何を目指す大会なのか?どのような歴史があったのだろうか、1964年の東京オリンピックと、今回2020 大会では、何が違うのだろう?と考えるようになり、2016年5月から、元オリンピック・パラリンピック選手や、オリンピック研究をしている教授をゲストとしてお招きし、市民や、学生にも参加してもらいながら、私たち団体のスタッフたちが「オリンピズム  (オリンピックのあるべき姿)」を学びはじめました。


オリンピックと聞くと、よく、注目されるのが、日本が金メダルをいくつ取れるか?経済効果が、どれだけあるか?観光立国になるためには?日本の魅力をどうやったら海外に伝えられるか?等ではないかと思います。


しかし、近代オリンピックの創始者であるクーベルタンの考えは、簡単に要約すると


①スポーツを通して、体と心をきたえよう。(教育思想)

②世界のいろんな国の人と交流することで、平和な社会を築いていこう。(平和思想)


という、教育思想と平和思想であって、オリンピック旗や、エンブレムにも、その思想が表れています。


「おもてなし」の言葉を考えてみると、表無し、すなわち、裏も表も無い、純粋な愛する思いでするものであって、相手が気づかないほど、自然に行うのが理想です。


私たちが団体の方向として思い描いていた、多摩地域へのインバウンドや国際交流、訪日外国人に対する日本文化による「おもてなし」などは、本来の意味とは違っていることが分かるようになり、オリンピックの究極的な目的である「平和」(エンブレムの基本コンセプト、多様性の中の調和だとも言える)に貢献する「おもてなし」を研究して、実践しようということになりました。


(現在のおもてなし国際協議会のミッション : おもてなしの心が紡ぐ、世界の絆~笑顔輝く、多文化共生の街に)


最近のアジアを見ると、国と国が国益を主張し、自国中心主義がまかり通って、本来あるべき国家の品格が失われているのを感じますし、コロナの期間に、さらにエスカレートしているように思います。


このような時だからこそ、平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックの東京開催は深い意味があると思います。


1964年の東京オリンピックのときはオリンピック景気に沸き、日本全体が前進しようという空気で満ちていました。しかし、2020年東京大会は逆に、世界的に経済が落ち込んでいる中で、これまで日本が築いてきたものを振り返り、再構築しながら次のあるべき姿を見いだしていく転換点になるでしょう。


また、コロナ期間以降の最初の世界的な大会となるため、オリンピック・パラリンピックの原点に立ち返った、人間の尊厳と、博愛の精神を最優先に意識し、アジア、世界と一つになる大会に方向性を取りやすいのではないかと思います。


2020年7月24日の日に、そのようなことを考えましたが、来年の東京オリンピック・パラリンピックを感動的な大会にすることを夢見て、生活の中で、様々な人と出会いを大事にしながら、思いやりの心を実践していこうと思います。

YOUTUBEより引用