新たな挑戦を続ける八王子市出身の沈金師 春日 友子さんのワークショップ「旅する沈金師」

9月23日の15時~17時で沈金師 春日 友子さんのワークショップ「旅する沈金師」がコワーキン八王子8Beatで行われました。

沈金と言っても聞きなれない言葉なのですが江戸時代に石川県の和島に伝わった伝統工芸の技法の一つで、輪島塗のようなものだと思っていいかと思います。


参加人数が4人でワークショップが行われましたので、ノミで掘る姿や音を五感で実感できましたし、練習用に使っていた漆で塗られた板を実際に触らせて頂き、彫刻された文字の跡を確認させても下さいました。


春日さんが沈金師になろうとしたのは、小学校の時に伝統工芸の後継者が途絶えることに危機感を覚える出来事があり、その後、東京芸術大学を目指して浪人しているときに、石川に嫁いだお姉さんから、石川県立輪島漆芸技術研究所を紹介されて、受験し、入学したことがきっかけだったようです。


沈金師は、全国にどれだけいるか、統計がないようなのですが、春日さんは一般の沈金師と違い、今までの沈金の常識を覆す挑戦をなさっていることを楽しく話してくださいました。


例えば、漢字を掘るのは、どの沈金師もされるようですが、ひらがなを掘る沈金師は僅かしかいないらしく、さらに草書でひらがなを書こうと挑戦した人は、春日さんだけだったようです。また、どのひらがなが特に難しいかというと「し」という文字が最も難しいようで、漢字と違った丸みの部分と、単純なようで、強弱があるため「し」を書くのが難しいのだと。


伝統芸能は、どこの国もそうかもしれませんが、自分たちの国では、なかなか評価されないものですが、海外では、思わぬ評価をされることがあります。


日本の浮世絵や、歌舞伎は代表的なケースですよね?


現在、新たな挑戦として、海外での美術展に出展し、入選を目指していて海外で沈金が評価されることで日本で、より多くの人に「沈金」の存在を知ってもらおうとしています。


すでに「日本・フランス現代美術世界展」で3年連続入選していて、フィンランド、クロアチアでの美術展にも出展することが決まっているそうです。


少し前に、私たちの方でも、春日 友子さんの作品集をフランス語と英語の翻訳に翻訳するお手伝いをさせて頂きましたが、今後も八王子の伝統芸能の星として、春日さんが、さらに輝けるよう応援していきたいと思います。