李登輝元総統の弔問記帳受け付けに参加
〜一粒の麦、地に落ちて死なずば〜

李登輝元総統が、7月30日20時過ぎに、97歳で、台北市内の病院で亡くなられました。

総統時代(1987年〜2000年)については、よく知らない私ですが、2018年8月31日に「もっと知りたい 台湾」というイベントを、NPO法人 おもてなし国際協議会で主催した時(場所:八王子市いちょうホール)、一部の音楽劇「71日の台湾の白百合」で、ちょうど、李登輝さんの総統になったばかりの1987年前後に、台湾民主化運動で活躍された方が主人公だったこともあり、その時に、李登輝さんのことを僅かながらですが、勉強していました。

そのイベント「もっと知りたい 台湾」では、日台関係が、ただ「台湾の文化、日本の文化が好き」とか、「台湾人、日本人が優しい」という次元での関係性でなく、歴史に基づいた、運命共同体とも言える関係であることを特に若い世代に伝えることが目的でした。

そのこともあって、李登輝さんのことについても、本などで、知るようになり、李登輝さんの私心のない判断力と知識に裏付けられた信念が、あまりにも魅力的で、いつか直接会ってみたいと思うようようになっていました。

政治家の多くは、自分の地位や名誉、それに伴う権力を守るために、公約を平気で破ったり、途中から、考えが変質していくことが多いのですが、李登輝さんの座右の銘「民の欲するところ、常にわが心にあり。」の通りに、危険を犯してでも、民主主義と自由のために、台湾人の真の幸福のために、最後まで変わらずに生きられたことが、偉人である証拠ですし、今の台湾の基礎になっていると思います。

8月3日〜7日の弔問記帳受け付け期間の8月5日に、台湾人で八王子市在住の岳中さん、降谷さんに誘って頂き、台北駐日経済文化代表処で、弔問記帳をさせて頂きました。

会場には「千の風になって」の美しい曲が流れ、生前の優しい表情の李登輝さんの写真と生花が飾られていましたが、李登輝さんの写真の前で、魂が安らかであるように祈る中で、台湾と日本のために一生を捧げた李登輝さんの精神を、私たちが、引き継いでいかないといけないと強く思うようになりました。

その後、幸運にも、領事館を訪問する機会が与えられ、駐日大使の謝長廷さんに、お目にかかったのですが、二年前の日台友好イベントに参加して下さったことを思い出してくださり、「あの演劇、おもしろかったですね。あの時は小さな会場だったですね」と声をかけて下さいました。(僕らとしては、かなり、無理をして借りた会場だったのですが(笑))

駐日大使の謝長廷さん(右) 日台友好イベントにて

既に、李登輝さんの総統時代から、20年経った今、日本の多くの若者達は、李登輝さんについて、ほとんど分からなくなっています。

しかし、李登輝さんが亡くなったことで、その生涯の業績ついてマスコミや、SNSなどで再び取り上げられている、この時を活かして、音楽劇で李登輝さんを表す企画を構想中であると、謝長廷さんに伝えることができました。

そのことに対して、なんと、謝長廷さんは、力強い声で、できる限りのサポートをして下さると約束して下さいました!
コロナ期間が終わった最初の大きなイベントとして、より多くの人の心に刻まれる作品を必ず上演したいと思います。

「一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。
しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。」