初めての多文化共生コーディネーター研修参加(日本語教育編)

多文化共生に関わる方で、日本語教師をしている方が多いのを以前から、感じていました。
一方、個人的に韓国語を教えた経験があるので、外国の方に継続して、日本語を教える労力を考えると、難しさだけが先に思い浮かび、日本語教育に関しては、距離を置いていましたし、日本人教師は、条件に合う特別な人たちが教えているのだと思っていました。
資格を取るのも難しそうだし。
しかし、今日の講習は、ただの日本語教育ではなく、「多文化共生のための日本語教育」というタイトルだったため、自分に身近な話として、興味深く聞けました。
講師の方は千葉市国際協会の日本語教育コーディネーターの方で、1980年代半ばに日本語教師になられ、日本語学校の留学生や、看護介護人材に対する日本語教育も経験されたそうです。
そうしている中で「どうしたら日本語学習者が主体的、意欲的に学べるのか?」「日本語学習修了生は、外でどのように日本語を使っているのか?」に考えを深めるようになったそうです。
私は、現在、韓国語のネイティブの講師のサポートをしていますが、まさに、そのことに関する心配は、尽きません。
教える側は熱心に教えても、聞いている学習者が、本当に分かって聞いているのか?真剣に学ぼうと思って聞いているのか?よく、わからない中で、教科書の進度に合わせて進ませないといけないからです。
いくらうまく日本語を教えられたとしても、外国人学習者と日本人とのコミュニケーションを、どのように、どれだけ取れているのか?見てあげる人がいなくてはいけない。そうであってこそ、多文化共生に繋がる日本語教育になって行くというのです。
現在の千葉市国際交流協会の日本語教育事業の目的は、《外国人市民の日本語向上》➕《市民同士の相互理解》となっています。
この二つのうち、日本語学習に偏ると、教える側、教えられる側の関係が固定化して、面白さに欠けたり、自主的な学習支援にならなかったりします。
一方、相互理解に偏ると、イベントによる交流で、話は弾んで楽しいけれども、日本語の勉強にならず、自分について浅くしか伝えられないことになります。
そこで、相互理解を深める中で、日本語の学習もして行く「対話学習」が必要だと教えてくださいました。具体例として挙げてくださったのは、①アイロンをかけます。②洗濯をします③掃除します④料理します⑤子供の世話をします。⑥勉強します。⑦仕事します⑧残業します⑨買い物します⑩食事しますなどが書いている動詞と、イラストの絵が一緒に載っているプリントが一人一人に配られた後、まずは、今までの日本語教育をされました。それぞれの動詞を10回ずつ読みながら、それに合わせて、動作をします。日本語を教える時だけでなく、語学を教える場合、英語にしても、中国語、韓国語にしても、同じような学習法になっていると思います。
次に対話学習のアクティビティを行いましたが、4人〜6人のグループに分かれて、先ほどの10個の動詞を使って、以下の質問をします。「この中で一番好きなこと二つ挙げてください。一番嫌いなものも、二つ挙げてください。そして、チームで発表してください。また、その後で、なぜ、そうなのか、理由も共有しましょう。」
ある人にとっては、好きなことなのに、同じ動詞が、他の人にとっては嫌いになっているのも、面白かったですし、好き嫌いの理由が、この人数でも多様だったので、実際に外国人学習者が入ると、大変、盛り上がるイメージが湧きました。
一般的な日本語教育を、少し工夫したら、このようになるんだと、驚きましたし、日本語教育課程を専門的に学んで、修了していなくても、誰でも関われるのため、増え続ける日本学習者に対しての、一つの解決口になる予感がしました。
今回の講座を通して、現在、日本語教育の関係者の中で、問題を多く抱えたまま、日本語を外国人に教えている現実が見えてきました。
それと同時に、ただ外国人の方達に日本語を教えて終わる関係ではなく、日本語を実際に使う環境を作ってあげ、語学力の向上と共に、彼らの持っている才能や個性が、日本社会で活かされる、真の「多文化共生の日本語教育」が研究されつつあることが分かりました。
今後も、まずは日頃から日本語教育に関心を持つところから、始めていきたいと思います。