会場も、スタッフも一つとなった日韓友好フェスタ2019in 八王子②

 一部の音楽劇のフィナーレの後、歌手の玉城  ちはるさんが、「海峡を越えた、かけがえのない家族」というタイトルで、バトンを引き継いでくださいました。

歌手 玉城 ちはるさん


玉城さんは、10年間、日中韓36名のホストマザーになって、一つ屋根の下で、時にはぶつかることもありながらも、家族のように、愛を育みながら暮らしてこられたことを、玉城さんの講演のたびに、聞いていましたが、その中の大多数が韓国人だったということは、今回のイベントの相談をさせて頂く中で、初めて知りました。


また、二ヶ月前に、韓国の京畿道 水原と、東亜放送芸術大学での講演に、同行させて頂いたのですが、玉城さんにとって、念願の初めての韓国渡航となり、その際に、ホストマザー当時の韓国留学生たちとの10年ぶりの劇的な再会を、経験した後の講演だったため、過去の話ではなく、現在に繋がって行く、生きた日韓の平和のメッセージとして、一層、力強く語っていらっしゃいました。


玉城さんは、小さいけれども、確実な繋がりを、講演でも、ライフワークでも、大事にされていています。それが真の平和に繋がっていくのだと。  講演途中で、実演されていましたが、手を繋いで、「ありがとう、ごめんなさい、愛している。」で締めくくる、優しさ貯金ゲームや今回、歌われた「ヒトリゴト」の歌詞に集約されているのを感じました。


また、二部では、コリアンフード  コラムニストの八田 靖史さんが、「日韓交流~文化の力と未来の新しいカタチ」というタイトルで基調講演をして下さいましたが、八田さんは、韓国関係者なら誰でも知っていると言っても過言ではない方です。

コリアンフード コラムニスト 八田 靖史さん


長年、関わってきた韓国を、こよなく愛する思いで、特には現在、広報大使をされている、慶尚道北部、栄州市についてですが、言語、地理、歴史、食とあらゆる角度から、伝えてくださっている中で、素朴で純粋な韓国の新たな姿を見ることができ、韓国に親しみと愛する思いを覚えた方は、多かったのだはないかと思います。


最後のエンディングなのですが、するかしないか、歌にするか、違う形にするか、歌にするにしても、どの歌を歌うか、前日の夜中まで、迷いました。


こんな友好イベントの時に、世代を越えて、国境を越えて一緒に歌える最近の歌が意外と無いということに改めて気づきました。


1985年にアフリカの飢餓のために歌われた「We are  the  world」は、その後も、2010 年、ハイチ大地震の新たに作り直され、4年前に起 きた東日本大震災の際にも、歌われましたが、歌には、違いを越えて一つにしていく力があると思います。今回は、劇団「シルクロード」の代表の提案で韓国のゴスペルソング「あなたは愛されるため、生まれた人」を会場の参加者と舞台に上がったゲストのみんなで、一緒に歌いましたが、一人一人が、愛された、かけがえのない存在だという歌詞は、今回のイベントで一番伝えたかったフレーズだったため、心が一つになっていく感覚を受けました。(エンディングは、リハーサルをほとんど、出来ずに、行ってしまい、申し訳ありませんでした。)


イベント後、交流会が、簡単なお菓子と飲み物を用意したカルチャールームで、行われましたが、そこでは、日本人と韓国人、ゲスト同士、ゲストと観客での壁もなく、時間の過ぎることも忘れて、話が、大いに盛り上がっていたり、次の集まる計画が話されていたりと、このイベントを開催した甲斐を感じるひと時でした。

また、イベント後に、スタッフの集まりに参加しましたが、韓国のシルクロードの方達と、2日前から舞台を作ってきた過程を振り返りながら、文化や、言葉の違いからくるトラブルは、多々あったものの、韓国の方達の水準の高さや、相手を思いやる人格的な姿に感動を受けたというコメントが、シェアされていて、疲れを感じさせない、明るく、清々しい雰囲気で、締めくくっていました。日韓友好のわずかな種かもしれませんが、確実に育てて行きたいです。