玉城 ちはるさん 初の韓国の大学講演


〜アートと多文化共生の不思議な繋がり〜

今回の玉城さんの韓国日程で、大事なプログラムが、韓国の大学での講演でした。
玉城さんは、海外で若者たちと交流して、生の声を聞きたいと話されてはいましたが、教育機関は、外に対しては、そもそも敷居が高く、さらに日韓関係の最悪の状況ということもあり、該当する高校や、大学を見つけるのは、至難の技でした。玉城さんの講演をさせてくれる教育機関を探している中で、韓国の東亜放送芸術大学の講師で、時々お世話になっていたパク チョンスさんに、玉城さんのことを紹介しました。東亜放送芸術大学には、去年、一度訪れたのですが、ドラマや映画など、メディアの放映に関わる分野では、韓国で最も有名な大学です。映画のロケでよく使われているので、さまざまな俳優や、KPOPアイドルが訪れているらしいですし、その中には、この大学出身者も、かなりいるようです。パク先生は、舞台芸術全般の先生で、今回、玉城さんの任されたクラスは、舞台美術の生徒たちでした。
南京郵電大学や、台湾の世新大学の時と違ったのは、日本語学科でなかったため、通訳が、絶対に必要だったことです。
大部分の生徒は、日本語がほとんど分からず、舞台美術の時間に、多文化共生の話を日本人がすることを、どれくらいのモチベーションで聞けるのか、心配をしました。
また、パク教授が、海外から来て講演してもらう経験が無かったこともあり、通訳の重要さに対して、そこまで認識がなかったことも、大きな問題でした。
「あなたが通訳をすれば、いいでしょう。通訳が、呼びたかったら、そちらで自体的に呼んでください。」という話になり、とても、困りました。
日本だとしても、限られた予算で、日程も合わせて来てくれる通訳官を探すのは、難しいです。
玉城さんの講演は、日韓関係の良くないこの時期に、日本人を代表して話されることになりますし、内容も韓国の学生に響く話なので、伝えたいことが、スムーズに伝わらないといけないと、切実に感じていました。
そして、前日の夜、22時に、その日の水原でのイベントに、偶然、来ていた在日韓国人の学生が、その時間帯だけ空いていると名乗りを上げてくれたそうで、当日、通訳として来てくれました。彼女は、水原での玉城さんの講演や、玉城さんの存在自体に感動して、夕方の水原華城の観光にも、一緒について来ていた人でした。専攻は、韓国の伝統舞踊で通訳は初めてでしたが、とても助かりました。
当日、20人弱の学生に玉城さんが、「異なる文化を持った人通し集まると、感動したり、腹が立ったり、悩んだりと、心の動きが大きくなる。しかし、この心の動きこそが、芸術を生み出す原動力になり、その人生経験の引き出しが、なにかを創造する上で、役に立つ。」と話されていたことが、とても深い言葉として胸に響きました。
自分の見た限りでは、学生で、玉城さんの話を集中して聞いていた学生たち、反応はそんなにないけれど、聞いている学生たち、集中していない学生たちと、3つに分かりましたが、心に蒔かれた、言葉の種は、見えないけれども、いつか芽を出し、花を咲かせ、実を実らせる日が来ることを期待したいと思います。
また、このような時期に大学での講演を開催してくれた、パク先生、東亜放送芸術大学の関係者に感謝します。