グローバル社会に求められる思考力と読書

冒頭のタイトルは、12月6日に、東京外大で行われた出口 治明氏(立命館アジア太平洋大学学長)の講演のタイトルですが、講演の広告の内容よりは、私の関心のある、移民問題、外国人労働者、居住者の問題で、出口さんが対談をされている記事を見て、興味があったため、講演を聞きに行きました。

プロフィールを見たら、実業家でもあり、国際経験も豊かで、現在は立命館アジア太平洋大学という経歴で、一般人からすると、
近寄り難い印象なのですが、最初の場内アナウンスで、「今日は登壇者の方の要望により、自由に写真撮影してもらって、
SNS等に、積極的に、載せてもらってもいいです。」と伝えられたり、立命館アジア太平洋大学の学長室は誰でも入って来れるように、いつも入り口を開けていると話をされたりして、壁を作らないグローバルな考えが生き方としても、徹底しているのに、とても、感動しました。

世界の観点で日本を見たときに、グローバル化の世界から、日本が後れをとりだして久しいのは、知ってはいましたが、どれくらい後れを取っているか
なぜ、後れを取っているか、はっきりは知りませんでした。現在の国際的な競争力は世界26番目にまで落ち込んでいて、このままだと、さらに
右肩下がりになっていくと言われています。
日本が製造業で、世界を席巻していた時代は、日本人の、まじめで我慢強い性格、「24時間、働けますか」という言葉に象徴される、会社のことしか考えない生き方こそが、その時代に目指すべきライフスタイルでしたが、今、日本で、問題になっているのは、
新しいサービス産業を生み出すことができないことです。要するに、現代の日本人にアイデアが乏しい、ワクワクさせるビジョンがないということです。

これを解決するためには、『一つは、新しく人にあっていくこと、どうせ会うなら、面白い人、とがった人に会うことが必要で、そうするためのマインドは、まず誘われたらYESといって、ダメもとで、会いに行くことだ』と出口さんは、話されていましたが、確かに、どこかでブレーキをかけて、時を逃してしまうのが多かったことを自分も感じました。ある講演で、大学生から「もしそれが宗教の集会の勧誘だったらどうするんですか? 」という質問があったようなのですが
「君、もう大人やろ、もしこれは違うなと思ったら、『おなかが痛いので、トイレに行きます』とか、言って、そっと抜けだしたらいいやないか。」と答えたと話していましたが、スケールが大きいですね。それくらいに飛び込んでいく心がないと、自分にイノベーションが起こらないのだなとも思いました。

また『2つ目に、本を読むこと、人に会うのは難しい場合があるだろう。たとえばオバマ前大統領に会うのは、アメリカに行っても、簡単に会えないに違いない。
しかし、オバマ大統領の書いた本なら、一晩独占できる。本としては、一つは、古典を読むなら間違いない、古典は何百年の間、時代を超え、民族を超えて読まれてきた本だし、古典を探すなら岩波新書ならなんでも大丈夫でしょう。また、新書なら、新聞の書評を見て選ぶと、ほぼ間違いないです。彼らは、日本を代表する評論家なので、信頼できます。自分も新聞の書評を書いていますが、私より優れた方ばかりが、新聞の書評を書いていますので、信頼できます。また、本を選ぶときは、最初の10ページの立ち読みで、面白いものを買ってください。誰でも、作家は自分の本を読んでほしいと思っているので、本の最初の部分に、全神経を注いでいます。』と明快に教えて下さいました。

最後にですが『3つ目が旅によって、新しいアイデアを得られます。自分の足を使って、すぐ現場に行ってみて、日本の常識では、グローバル社会には通じないということを、実感してほしい。』と話されて、短い講演でしたが、心に残る、分かりやすい講演でした。

最近、日本には、多くの外国人労働者が、少子高齢化による深刻な労働不足の影響もあって、増えていることに、心配をしている人々は多いと思いますし、スピード社会で失われた心の豊かさを取り戻す、昔のようなスローライフを願う声も、聞かれますが、それによって、せっかく築いてきた、日本の国際的役割を放棄し、グローバルな社会から取り残されるのは、時代と逆行していると思います。日本が共生社会になれなかったのは、あまりにも海外との接点が無く、そのことによる無関心からきているものだと思います。しかし、一度、様々な文化背景を持つ人たちと一緒に住むようになるなら、さまざまな困難にもぶつかるとは思いますが、一方、異質なものに対する柔軟性が世界で最も、備わった民族であることも、知られています。
オリンピックを通じて、多くの海外からの方を受け入れていますが、多様性と調和を目指す、共生社会は、日本が新たに復活する鍵になるはずなので、この時を、むしろチャンスにして、グローバル社会に求められる考え方を、普段から持てるように、『人、本、旅』から学べたらと思います

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