「世界のフィールドで働くこと」
良かれと思ってするのに、現場が困るボランティアの講演に参加して

今回、AHHAという社会貢献できる人材や、教育活動を行っているNGOが主催している集まりに参加しました。

たまたま参加したのが僕1人で、吉川さやかさんという、カンボジアや東チモールでの教育現場で、長く働いてきたワーカーの方から、
話を聞かせてもらいました!
主にカンボジアでの経験をしてくださいましたが、16歳以上の現地の学生のスキルを上げ、カンボジアの観光に携わったり
企業で働けるようにして、将来の可能性を広げる活動をされていました。将来は、カンボジア人がカンボジア人を教育できることを目指しています。
そこに入ってくる学生の性格ですが、トライしたり、自主性が乏しい面があるのですが、「マンゴーの実が落ちたところからは、マンゴーしか生らない。」
という言い伝えがあるように、農民の子供は農民にしかなれないという固定観念が強く、全寮制の生活を経験させたりして、自分たちで作っていく習慣を
つけさせているとのことでした。

海外ボランティアとして来られる方たちは、現地に来てみて、良かれと思って、何かをしたいという思いになって形にしようとしても、
現場では問題になってしまうことがいくつかケースとしてあげられました。
たとえば、ある大学生のグループは、長い距離を通学したり、移動している生徒たちを見て、帰国後、近くに放置自転車の沢山あることを思い出し、
資金を集めて、放置自転車を100台寄贈したようです。
そこまでは良かったのですが、学生達に週末貸出していた自転車が、舗装されていない道を走っているうちに故障し、メンテナンスが分からず
使われなくなったものが多かったとのことです。

またシンガポール人のボランティアの方は、生徒のドミトリーを見に行ったら多くの生徒が薄いゴザの上で寝ていたため、ファンドレイジングと、
マットレス購入の計画を学校側に提案しましたが、薄いゴザの上だと、大変なのかというとそうは感じていなかったり、一度作ってしまうと、それが
基準となって、他の農村でも期待させてしまうため、結局、その提案は採用されませんでした。

ボランティアの、何かをしてあげたいと思う心と、現場のニーズにずれがある場合、上のような行き違いがあり得ますね。

そこで2つの提案をされていました。
一つは、目線と立ち位置を考えることです。狭くて、眼先までの目線であり、一側面しか見ていない視点
か、広く、長い点まで捉えた目線、全体像、背景を捉えた視点なのかということです。
どうしても、見て聞いた、そのままで判断し、行動に移してしまい易いですが、専門家の方や、経験者に聞いてから行ったり、
ケーススタディーを事前にすることは必要になると思います。
特に海外だと、往復の交通費であったり、滞在費がかかったり、日本では当たり前だった常識が通じなかったり、異文化や、言葉の壁が
あったりと、自分のことだけでも大変な条件の上でのことなので、さらにハードルは上がるのかなと思いますが、
その分だけ、自分の足りなさを感じて成長していく機会になり、乗り越えた時の喜びは大きいはずです。

もう一つは、自分たちがビジターとして関わるか、一員として関わるかだと話していました。
ビジターだと、背景を知らず、共感できない中での関わりになりますが、ただ、一員になった時に、中で起こっていることが、いいことも
悪いことも、当たり前になって、麻痺してしまうのを、外から見てもらうという意味では、必要になります。

ボランティアの期間を終えて、帰国する際に、普通に挨拶して、去っていくワーカーと、惜しまれて去っていくワーカーがいますが
その差は、彼らの輪の中に積極的に入って一員となり、人生の悩み、苦しみ、喜びにタッチしているかどうかだと話されていて
何が必要かを共に考え、共に実行していくことだと結んで終わりました。

この団体のAHHAAHHA Education Cambodia団体は、金銭的理由や、家庭の諸々の事情により、公立学校教育からドロップアウトした青年を対象に、
無償で教育の機会を提供している国際NGOですが、八王子で活発に活動されていて、さらに他団体とも、一緒に協力して、新しい挑戦を
していこうとされているのが印象的でした。
八王子はNPO法人の多い場所として有名で、現在272団体のNPO法人が、八王子市に事務所を持っています。
しかし、それも20年前にNPO法人の制度が始まって一気に出来た時の勢いは無く、世代交代をしていかないといけないタイミングであるのと
今まで八王子を担ってきた年配の方々と若い世代との交流、分野を超えたNPO法人同士の協力がとても大事な時代です。
少子高齢化の時代が進めば進むほど、自主的に行える市民の力、NPO法人の力を集めることが、その町の将来を左右するので、この出会いを大事にし
魅力的な街づくりに共に貢献していける形を考えられたらと思います。