一つとなって、困難に立ち向かう台湾!加油 台湾! 〜片倉 佳史さんからの台湾現地レポート〜

日本では、コロナに関しての水際対策が遅れをとり、マスクの配給も随分手間取ったのは記憶に新しいですが、台湾は、いち早く水際対策として入国者の隔離を徹底的に行い、医療用マスクを計画的に製造して、台湾国民に効率的に配布して混乱を防いできました。

また、唐鳳(オードリー・タン)デジタル担当大臣等、有能な人材を民間から大臣に登用し、「コロナ封じ込めの優等生」として世界からも注目を浴びていましたが、今年5月上旬からコロナ感染者が急増し、新たな感染者は5月25日539人、26日635人、27日670人、28日554人、29日491人となっていて、一週間の平均では563人となっています。

台湾政府は、コロナ感染の警戒レベルを4段階の上から2番目に引き上げ、屋内で5人以上、屋外で10人以上の集まりを禁じたり、学校での対面の授業を取りやめたりしているそうです。

5月29日、台湾世界遺産登録応援会の総会後、台湾在住の作家片倉佳史さんが、オンラインで台湾の現状をリアルに伝えてくださいました。

コロナ流行前、台湾人は年間に全人口の約半数が海外に出国し、その内の4割が日本に訪れる海外旅行好き、日本旅行好きの国民でした。
そして、コロナの世界的な流行により出国できなくなってからは、国内旅行、山歩き、ハイキングが人気だったそうです。ちなみに台湾で一番高い山は、標高3952mの玉山(新高山)で、富士山より高いんです。

しかし、2021年5月からの台湾国内でのクラスターによって、日本とは比べられないほど不便な生活が強いられています。
集会やイベントの全面中止、店内での食事中止、外でマスクを外しての飲食禁止、公園の立ち入り中止など、自主ロックダウンが求められていて、当然、公共交通機関もほとんど乗客がいないようです。

更に、外出する際にマスク未着用だと最高5万8千円の罰金なので、台湾全土で、息詰まる生活が続いています。

日本にいると、休業になった店には給付金や補助金等、手続きをすれば大概受け取れることになっていますが、台湾は、業種によって給付金が出るところと出ないところがあり、経済的に追い詰められている方が多いようです。

また、先日日本から台湾にワクチンを送ったニュースが報道されましたが、台湾国内のワクチンが絶対的に足りないのだそうです。

理由は、ワクチンを確保していても、搬出することができないように、中国が邪魔をしているのだそうです。そして中国からワクチンを台湾が買うしかないようにさせて、台湾が分裂することを企てていることは、確実だろうと。

このような、ある意味日本よりも厳しい状況にあっても、それでも台湾は一つとなって支え合い、国難に立ち向かっている姿について話して下さいました。

例えば、可愛いイラストや動物の写真を使って心を和ませながらコロナ感染の注意を促し合ったり、厳しい国の施策の中で、外国人である片倉さんに15人から激励のメッセージが送られてきたこと等を聞くと、日本だったらどうだろう、と考えてしまいます。コロナ対策に対しての日本政府への批判ばかりで、自分たち同士の自主的な取り組みは、出来ているだろうかと。

ケネディ大統領の就任演説の言葉が思い出されます。
「Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country」
(国があなたのために何ができるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい)

日本が台湾から学ぶことは多いです!

台湾でも現在ワクチン開発を進めているそうで、8月中にはワクチンの台湾在住者への供給を目指しているそうですが、このような先の見えにくい困難な時に、どのように台湾を応援していくかが、過去の台湾からの恩返しを少しでもできる機会だと考えています。