「やさしい日本語」は日本人のマインドを新しくする!

7月4日に行った「多文化共生って、なに?」に引き続き、誰にでも始められる、多文化共生の実践として「やさしい日本語」を専門家の方から学んで、生活の中で、使えるようにしようと、9月26日、東京国際交流委員会会長の梶村 勝利さんをゲストとして、お迎えして、オンラインで講演をして頂きました。

司会が大学3年生の学生で、梶村先生と対話式で講演を進めることになったのですが、年齢差が相当あったにもかかわらず、年の差を感じさせない楽しく、わかりやすい講演に、参加者の多くの方が、好印象を持たれていました。

やさしい日本語は、一般に考えられる、在留外国人に対しての言語ツールだけでなく、子供、高齢者、障がい者など、様々な立場の人たちとの共生を可能にする重要なコミュニケーション手段だと分かりましたし、決まったパターンはあるものの、相手との言葉のキャッチボールをしながら、一緒に作っていくものだとも学びました。

特に、グループワークの時間、参加者4人~5人で、与えられた課題をリライトしていくときに、やさしい日本語というものの、実際に、やさしい日本語にするのは、決してやさしくないということを実感しました。

例文は、夏の食中毒に関する注意書きと、駅の校内放送、コロナ相談窓口での相談内容についての3つでした。

よく見たり聞いたりする文章ですが、高齢者や、在留外国人、障がい者の立場から、読んだり聞いたりしたことはなかったため、同じ日本語だとしても、新しい言語として学びなおさないといけない必要性を感じました。

私は、韓国語の通訳をしているのですが、英語や中国語と違い、似た発音の単語が多かったり、文章の並びがほとんど、同じなので、学びやすいはずなのですが、やさしい言語だと思って気を抜いて、初級でやめてしまう学習者は多いです。ひょっとして、それと共通している部分があるように思います。

梶村先生は講演前に、「やさしい日本語を実際に作ってみると難しいのだと感じてもらえたら、今回の講演の目的が果たせたことだ」とおっしゃっていたのですが、まさにそのような展開になりました。


自分にとっては、苦労してリライトしてみたことで、「やさしい日本語」をもっと挑戦したい思いが湧いたの同時に、言葉をやさしく変えることが、人の心を優しく作ることだとも学ばされました。


「はじめに言葉があった」という有名な聖書の言葉がありますが、やっぱり、何をおいても、言葉を学ぶことから、考えへが変わり、行動へと繋がるので、震災、医療、教育など、広範囲に及ぶ多文化共生も「やさしい日本語」から始めるのが、私たちにとって答えだと確信しました。


次回は10月24日に梶村先生による第二回目の「やさしい日本語」の講演を行う予定ですが、今回が書き言葉中心だったため、次回は話し言葉を中心に行います。私たちの方でも、新たに「やさしい日本語研究会」を小規模ですが立ち上げることになりました!