ユニークなホストタウン交流事業に挑戦する八王子市に!

5月5日ホストタウン活動推進イベントを終えて


3月8日に開催予定だった「第5回グローカルカフェ〜街を変え 未来を変える ホストタウン!〜」が、コロナウイルスの影響で延期が余儀なくされ、私たちとしては、初めてのオンラインイベントという形で5月5日に開催するようになりました。

この2ヶ月の期間に、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されることが決定し、また、5月上旬に、八王子市の第2のホストタウン国として八王子市と特に所縁の深い台湾が決定予定になる等、大きな変化がありました。

今回、学生団体「ツナグ〜across2020〜」と、NPO法人 おもてなし国際協議会が共催で行ったのですが、ツナグ関係者が多く参加し、また、八王子市のホストタウン国である台湾台北市で活動している台日友好協会の代表の方も現地から参加されるなど、活気溢れるイベントになりました。

講師の柳田 一磨さんは、実際にホストタウン事業を進めている会社に去年、就職され、東アジアの国々のスポーツ振興活動を行なったり、日本の自治体と各国をホストタウン制度を使って、文化交流事業を進めています。
ホストタウンとは、東京オリンピック・パラリンピック参加予定国、地域と日本の都市を繋ぎ、選手の受け入れだけでなく、地域活性化や観光の振興などを目的に、相互交流する事業のことを言います。

スポーツの国際試合や、国際合同トレーニングは、世界各地で、すでに、たくさん行われていて、競技力の向上や勝敗を競うことが、中心なのですが、全世界から有名な選手たちが一箇所に集まるのに、一時的に競技場を借りるだけなら、もったいない。それを通して、世界と地域住民との繋がりができ、地域活性に繋がっていくことが、オリンピズムを実現する一つのモデルケースなのです。

柳田さんは、去年から、ホストタウン事業として、ブータンと埼玉県寄居町を繋げる役割をしています。寄居町ではブータン料理教室を開催したりしつつ、異文化理解を深めるたり、町が一つになって、ブータンを応援するなどの活動を進めている一方、逆に寄居町からブータンへの留学生が増えたり、ブータンへの旅行者が増えるなど、ホストタウンによって、地域住民が一つになる現象が起こっているようです。もともと、海外との繋がりが薄かった町だったので、その変化と効果は、著しかったのではないかと思います。

また、ブータンのすぐ隣の国、ネパールのホストタウンが、福島県田村市になっているのですが、ホストタウンの全国的な集まりで、寄居町と田村市の関係者が話し合い、二つの町で力を合わせて、両国を迎えることになったり、ブータンと、ネパール間でスポーツ交流が始まったりと、予想を超えた交流の形が広がっていると聞き、その可能性を考えると、とてもワクワクしました。

ホストタウン制度は、世界的に見ても日本独特のものらしく、1998年の冬季長野オリンピックの際に、1校1国運動といって、オリンピック参加国・地域の文化を学び、学校を挙げて応援する活動が行われたのが、発展したものだそうです。

八王子市として東京オリンピック・パラリンピックに関われそうなものとしては、聖火リレー、ロードレース、ホストタウンですが、東京オリンピック・パラリンピック後も発展した形でレガシーとして残せるものは、ホストタウン国との交流だと考えると、大事に育てていきたい制度だと思います。


現在、自分の中で思いついたのが、柳田さんがホストタウン事業で、活動している埼玉県の寄居町が、実は八王子市の姉妹都市の一つなのです。

400年前に、関東一帯を治めていた、北条3兄弟の領土が、小田原市、八王子市、寄居町だったことから、2017年10月1日に姉妹都市の条約を締結しています。また、小田原市のホストタウン国にブータン国が入っているため、寄居町とも繋がりやすいはずですし、ホストタウンの振興と姉妹都市の交流の活性化(今まで、姉妹都市通しの市民交流は、ほとんど無かったですし、姉妹都市がどこかも知られていない。)を同時に進める ホストタウン サミットを行うことは、意味のあることではないかと思っています。

近年、在留外国人や、海外からの観光客が、八王子市は著しく増えていますが、伝統のある街ですし、行政や市民活動の中心は、高齢者が多いこともあり、まだまだ、制度の壁や、心の壁が高くそびえている状態です。


私たちの団体は、もっと八王子と市と海外との出会いを増やし、交流を盛んにして、新しい形の交流事業を生んでいく魅力的なホストタウンの活用に取り組んでいきたいと思います。